涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




「そのままじゃ、帰れねえだろ。」

「帰れる、し。」



意地を張ってみても、事実歩くのも辛い今のあたしが、家まで帰れるかと聞かれたら…無理、かもしれない。うん。


そんなあたしの態度にさすがの智尋も気分を害したらしく、不機嫌そうに立ち上がった。

そして、



「ふーん?
じゃあ、帰れるんだ?
なら、俺は先帰るわ。」



じゃーな。とあたしの顔をみながらニッコリと笑った。