そう思った瞬間、 「…え、」 ふんわりとあの人の香りが香った。 あの人…智尋の香りが、あたしの横をすり抜けた、気がした。 「智尋っ!!!!」 気付けば、そう叫んで、追いかけてた。 ピク、と小さくその人は反応して、後ろを振り向くと、 「え…なん、で。」 目が大きく見開かれて、そのままどこかへ走っていく。 振り向いたその顔は、紛れもなく智尋だった。