「それは怜が悪い。」
ずるいなぁって思っても、ちゃんと相談には乗らないといけないから、はっきりとそう言う。
「っ…」
より泣き出しそうになった怜に、だけど、と続けた。
「好きだから、小さなことも気になっちゃうんだよね。」
怜が本気の証拠だね、と頭を撫でてあげる。
怜にとことん甘いあたしは、怜を本気で怒ることなんてできない。
「怜だってさ、あたしのことよく知らない人があたしを貶したらどう思う?」
「や…だっ…。
なっちゃん貶すとか許せない…っ。」
ぐすぐすと鼻を啜りながら、そう言う怜に小さくありがと、とお礼を言ってから、
「それと同じだよ。
鞠さんにとって、幼なじみ君が大切な存在だから貶されるのが嫌だったってことじゃない?」
あくまであたしの意見だけど、と続けた。

