そうだ。駄目だ。

このままギュッてして、笑って、頭撫でて…。

そばにいて、甘やかすのは簡単だ。

昔のように、微笑んで、抱き締めるだけじゃ…もう。

もう…だめ、なんだ。



このままだと、二人とも、駄目になってしまうから。

だから。


「っ、」


目元を腕で隠し、静かに雫をこぼす彼と…決着を、つけなければならない。