「っ…、あたしっ、」


どうしよう、どうしよう。

想いは溢れてくるのに、


「怜を、それでもっ、…傷つけ、たく…ないっ、」


怜は。

怜だけは。

もう二度とこの手で傷つけたくない。


「…なら。」


聞こえたのは、冷え切った低い声。


「俺を選んで、秋山先輩は諦める?」


睨みつけるかのように、あたしたちの前に立ちはだかった。


「れ、い…」