だるそうに鞄を肩にかけて、じゃあな。と適当に言われてから、やっと流れ出した涙。

屋上の扉がしまったあと、嗚咽が始まった。


「…っ、」


怜に"葉月先輩"と呼ばれたときよりも、何倍も。何十倍も。

苦しくて。

切なくて。

どうしようもなくて。


「ち、…ひろ…」


小さく声に出した秋山君の名前は、苦しくなるのに愛おしい。