涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




涙の流し方など、忘れてしまったかのように。

呼吸の仕方すら、わからなくなる。


「え…?」

「ごめん、嫌がることした俺が悪いし。
葉月さんに迷惑かけたよね、」


本当ごめん、と何もかも諦めてしまったかのような表情で笑うから。

あたしは、ただ呆然とその話を聞くことしか出来ない。


「"知り合い"程度のおれたちが、名前をどうとか言う必要ないじゃん。
何こだわってたんだろ、まじごめん。」


"知り合い程度"なら、こんなに苦しくない。

伝えたい、のに、動かない。