「…夏希は、かわってるね。」
「よく言われる。」
人がなんと言おうと、自分の気持ちだけでいい、と思うたちだ、あたしは。
人に惑わされるのは、惑わされてしまうのは、怜だけでいい。
そう心から思っている、あたしは。
「昨日はなんか二人を見た?」
消え入りそうな声で長い沈黙を破ったのは秋山君だった。
「怜も家に来なかったし会ってない。
見かけてもないから、わからない。」
そのおかげで少し落ち着いてるけど、と付け足した。
「大人だ、夏希は。」
「そう?
そういう行為をしてる秋山君の方が大人でしょ?」
と、軽く笑って言うと、
「そういう意味じゃないし。」
と、笑った。

