涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




「代わりじゃなきゃ、いいの?」


悲しそうな顔で笑いながら。

あたしの腕を拘束する手はかすかに震えていて。


「鞠、じゃなく、夏希、としてそばに欲しいって言えばいてくれんの?」


そう絞り出すように言う秋山君は、あたしには泣いてるようにしか見えなかった。




代わり、じゃなくて

あたし、として
夏希、として

秋山君が見てくれるとしたら…



そう考えると



ーー「なっちゃん!!」



頭の中に掠めるように浮かぶのは、怜で。