「んーっ…てあっ!!」
突然大声で叫んだものだから、店内のお客さんからの視線が痛い。
「美羽、もうちょっと静かに。」
「あ、ごめん。
って、秋山智尋の噂思い出した!!」
「え、うそ!?」
そして、紡がれていった言葉に衝撃を受けた。
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「秋山君。」
「よっ、夏希。」
変な噂を聞いても、それでもここ、屋上に来てしまうのは、きっと同類がいないからだ。
「その顔、知っちゃったーって感じ?」
戯けて笑って見せる秋山君に、適当に笑い返す。
別にあたしがとやかく言うつもりはない。
言う立場でもないし。
ーー「秋山智尋は、来るもの拒まず去るもの追わずの女たらしだ、ってやつ!!」

