「悪いんだけど…」 カッカッ、とヒールの音が鳴って目の前に立った鞠さん 「怖いものだらけ、というのなら、夏希さんはずっとそのままでいる気なの?」 右腕を振り上げて、咄嗟に目をつぶる。 「なんで変わる努力もせずに諦めるの!?」 空気が揺れ、その腕が振り下ろされた