涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



ずっと好きだった。

…いや、ずっと好きだ。

だからこそ、


「悔しかった、んです…
あのとき、私はただの幼なじみでしかないんだって突きつけられた気分で。」


何の理由もなしに、唐突に広げられた距離に、戸惑わないわけがなかった。

何かしちゃったのかな、とか、嫌われたのかな、とか色々考えたけど、わからなかった。

…なにも、わからなかった。

全てを知っていると思っていたのに、突き放された瞬間に何もわからなくなった。


「それから、関わる勇気なんてなくて、私は親がいう通り、城之内高校に進学した。」


諦める、という覚悟をするのが怖くて、逃げた、だけなんだと本当は分かっている。

諦める覚悟、がつかないうちに、


「私が高1で、怜君が中2のとき。
私たちは出会ったの。」


…同じ人を想い続けている私と同じ、怜君に出会ったんだ。