涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜




「お話が、あります。」


だから、そういって、"なっちゃん"さん…の前に立った。


「怜君の記憶と…私たちのさっきの会話について、の話です。」


膝から上げた顔は、涙に濡れていて、見ている私まで胸が締め付けられた。


「2人、の…話…?」


鎖骨くらいまで伸びた黒い髪の毛が、"なっちゃん"さんと一緒に揺れる。


「…はい。」


怜君は話したがろうとしないけれど。

独断だけれど、私は。私の気持ちは…。

…"なっちゃん"さんに伝えるべきだと思ったから。

だから、こうして、今この場に立っているのだ。