涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





「…なっちゃん。」


開いた扉の向こう。

吊られた足のせいで、こちらに来れずにいた怜があたしの名前を呼んだ。


「、れ」

「どこから聞いてた?」


そして、発せられた言葉は一緒に過ごして来た中で、初めてと思えるほど冷たく声。


「あ、の…」

「答えて。」


冷たく、ふわふわとした雰囲気なんて元から無かったかのように。


「っ、」


息が詰まるほど痛いその視線は、恐怖でしかない。