「…別に、何と無く分かってたよ。
秋山との関係。」
言いたくなかった、のに。
「ただ、その関係が、今の夏希にどんな影響を与えてるのかはわかんない。」
美羽は、あたしの頬を持って、目線を無理やり合わせる。
泣きたくなるほど、あたしの目は揺れてるのに対して、美羽の目はしっかりとあたしの目を見つめていた。
「だから、教えてほしい。
話せるところ、だけでいいから。」
美羽は何も話さなかったあたしを、怒るわけでなく、また支えようと、あたしの話を聞こうとしてくれた。
頬から手が離されて、口を開こうとすると、
「あー!!秋山だ!!」
「あっきー!!
何してるの?」
ドアの外。
1週間ぶりに見た秋山くん、の姿。
話そうと開いた口を閉じて、そっと目を伏せた。

