涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





二ヶ月。

あたしだって、あいたかったよ。

だけど、会ったらきっと、傷つけてしまうから。

諦めないといけないと思ったから。

…好き、だ。

ダメだ、好きだ。

溢れ出す気持ちに蓋なんてなくて、想いだけが溢れ出す。


「なつ、き…っ、なっちゃ、ん」


マクラを濡らす怜の涙に、指を這わせて、


「うん、夏希だよ。
あたしだよ、大丈夫だよ。」


同じ言葉を繰り返す。







あたしは、そのとき知らなかった。

不安そうに揺らすその瞳の本当の、理由を。