涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜





怜の手をお布団の中から出し、ギュッと両手で握った。


「ん…?」


突然聞こえた声に、怜の顔を見ると、ボーッとした目であたしを視界に捉える。

その艶っぽい表情にドキッと不謹慎にも心臓がはねた。


「れ、い…?」


やっとのことで、声を出すと、ボーッとした目から徐々にはっきりと目が開いて行って…


「な、つき…?
夏希、だよね?」


焦ったように体を起こし


「っ…!!」


痛みに顔を渋らせた。