恋のカタチ


『ゴメン。』

俺は自然とそう口に出した。

『ゴメン。言い過ぎた。』

俯きながら、そう言った

謝ってすむ問題なのかは分からない

でも今は、謝りたい

……――――――

重い沈黙の中、俺はいっこうに口を開こうとしない心に不信感を抱き、顔を心の方に向けた。

……………えっ――?

顔を上げれば、拳を握り、俺を睨みつける心が目に入った。

なんで………

俺がそう聞こうとした時、

「……謝らないでよ…っ、私が悪いのに、簡単に謝ったりなんでしないでよっ!!」

心の怒りの篭(コモ)った声が響いた。

『…心…?』

なんで心が怒っているのか分からなかった。

そんな俺は、今にも崩れそうな心の顔を覗きこんでいた。

「……私は、大道寺に心配されて嬉しかったっ!
少しでも私を気にしてくれて、嬉しかった。
なのに…なのに……っ、それは間違いだったかのように、謝ったりなんてしないでよ……っ!!」
気の迷いだった、って言いたいかのように謝ったりしないでよ…………っ、」

心は下を向き、今にも泣きだしそうな表情を必死に堪えていた。

俺は、そんな心を静かに見つめ、さっきの心の言葉を何度も頭の中で繰り返していた―……

………《嬉しかった》…―

なんで心は…、