恋のカタチ


*****************
○大道寺視点○
彼女らが去った後、その場には俺と心は二人っきりになった。

沈黙が続く中、

「大道…

先に心が口を開いた。

でも俺はそれを遮るように話しだす。

『なぁ、心…。』

「えっ!?ぁ…はい!!」

「な…に?」

心の目が揺らいでいた。

『お前、なんでこんなとこにホイホイやって来たんだよ?』

俺は怒りをあらわにする。

あんなことがあったのに、
普段通りな心に、無性に苛立った。

『危険だとか思わねぇの?怪しいとか思わなかったのかよ!!!!!』

心が怯えるように、肩を震えさせる。

「だ、だって……」

震えた声…

でも俺はそんな心の姿を見ても、
この怒りをおさめることができなかった。

『そんな簡単に相手を信用してんじゃねぇよ。
いいやつだなんて分かんないだろ!?悪意があってやってくるやつなんて五万といるんだ、毎回毎回警戒していろとは言わない、でも少しは警戒心を持てよ!!』

心の表情がだんだん青ざめていく。
今にも泣きそうだ…。

俺は、苛立つ俺自身を止めることなんて出来なかった。



ゴメン…――

ゴメン、心…


悪いのは俺なのに、


お前は俺のことで、巻き添えをくらっただけなのに、

俺はお前に八つ当たりして

最低だよ…――っ、

あの時、お前に何かあったって考えるだけで頭に血が上った

心配だったんだ―

すぐに助けにいけなかった自分に腹がたってしかたない

悔しくて…しかたない…――

俺は俯き、拳を握り、手に爪の跡が残るぐらい、力強く握っていた。

ゴメン…

どんなに謝っても許されるかなんて分からない

でも今は、

それしか思わない