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○大道寺視点○
彼女らが去った後、その場には俺と心は二人っきりになった。
沈黙が続く中、
「大道…
先に心が口を開いた。
でも俺はそれを遮るように話しだす。
『なぁ、心…。』
「えっ!?ぁ…はい!!」
「な…に?」
心の目が揺らいでいた。
『お前、なんでこんなとこにホイホイやって来たんだよ?』
俺は怒りをあらわにする。
あんなことがあったのに、
普段通りな心に、無性に苛立った。
『危険だとか思わねぇの?怪しいとか思わなかったのかよ!!!!!』
心が怯えるように、肩を震えさせる。
「だ、だって……」
震えた声…
でも俺はそんな心の姿を見ても、
この怒りをおさめることができなかった。
『そんな簡単に相手を信用してんじゃねぇよ。
いいやつだなんて分かんないだろ!?悪意があってやってくるやつなんて五万といるんだ、毎回毎回警戒していろとは言わない、でも少しは警戒心を持てよ!!』
心の表情がだんだん青ざめていく。
今にも泣きそうだ…。
俺は、苛立つ俺自身を止めることなんて出来なかった。
ゴメン…――
ゴメン、心…
悪いのは俺なのに、
お前は俺のことで、巻き添えをくらっただけなのに、
俺はお前に八つ当たりして
最低だよ…――っ、
あの時、お前に何かあったって考えるだけで頭に血が上った
心配だったんだ―
すぐに助けにいけなかった自分に腹がたってしかたない
悔しくて…しかたない…――
俺は俯き、拳を握り、手に爪の跡が残るぐらい、力強く握っていた。
ゴメン…
どんなに謝っても許されるかなんて分からない
でも今は、
それしか思わない


