―ザァァ…
風が吹き、髪が風にのってなびいた。
私が髪に気をとられといると、
『なら、』
大道寺が口を開いた。
「ん?」
『なんでそんな泣きそうな顔してんだよ。』
えっ…
『そんな顔で言っても説得力ねぇよ。』
なに言ってるの…?
「私普通だよ?」
『普通じゃない』
断言する大道寺。
『それで笑顔を作ってるつもりかよ…』
「…………っ」
『無理してるのバレバレ』
―パシンっ!
私は両手で自分の頬を叩いた。
笑え、自分…っ
私はそう唱えるように、自分に言い聞かせるように
何度も自分の頬を叩いた。
なんでだろう……
いつもみたいにちゃんと笑えない…っ、
笑えっ……
―ギュっ!!!
…えっ………?


