その場の雰囲気は、凄いシリアスなかんじなのに、そんな雰囲気の中、私だけは……そんな空気に不似合いな気持ちを抱(イダ)いていた…――
彼女らにとっては失礼なのだと思う、
身勝手過ぎると思う、
でも私は、
――大道寺の言葉が嬉しい
って、思ってしまった…
堂々と胸を張って言う大道寺の姿に、言葉に、ドキドキしてしまった
―好きだと思った
―私はやっぱり、大道寺のことが好きなんだと思った
「…ごめんなさい。」
彼女は、また同じ言葉を呟いた。
『……もういいよ。分かってくれたんなら』
「……ありがとう」
大道寺と彼女は視線を合わせた。
そして彼女は、行くよ!と言って、その場にいる集団を引き連れてら立ち去っていった。
――ごめんなさい。
私は、そう想った。
去っていく彼女らは、いっぱい泣いていた。苦しい表情で、
私を睨みつける表情も、あった。


