恋のカタチ


大道寺の…声…?

私はそっとつぶっていた目を開いた。

彼女達に目を移せば固まって、振り下ろそうとしていたバットが止まっていた。

みんな同じ方向を凝視している。


私は、そっちに目線を移した。

『心ーー!!!!!!!』




大道寺……だ、


私は、自然に涙がこぼれた。

安心の涙なのか、

悲しみの涙なのか、

そんなの分からない。

でも、なぜか泣きたくなった。

『今助けるからっ!!』

ここまで切迫つまった大道寺を見るのは初めてで、ココロの底で、少し嬉しさを感じてしまった。

だんだんと近づいてくる大道寺。


「…おいっ、どうすんだよっ」
彼女らの慌てた声が聞こえた。
予想してなかったこの事態に焦っているようだ。

―ドンっ!!

大道寺が私達の目の前にきた。

そして大道寺は…


「えっ?」

なにすんの!?

大道寺は軽々と私の体を持ち上げ、自分の肩に私を担いできた。

私の体は大道寺の肩に支えられ、大道寺の身長のせいか、いつもより視界が高めに感じる。

と言うより、

恥ずかしい~…っιι!!

私の顔は熱くなり、見えないけど、多分真っ赤な顔してるんだと思う。

私は、降ろせっ!とせがむように大道寺の肩の上で暴れるが、ビクともしない。

このバカ力めっιι!!!!

「ちょっと降ろし……」

『黙ってろ』

―ビクっ!!
大道寺のどすの効いた声。

私は開いていた口をゆっくりと閉じた。


それ以上、なにも言えなくなった…。