「ねぇ~、お兄ちゃん。」
「なんだ心?」
下に降りようとしていたムツキ兄が振り返った。
私は少し甘えた声で話しだした。
「私、昨日の体育ガンバったせいか…お腹痛いの……。だからね、車で送ってくれない?」
少し上目使いで言ってみた。
―ズキュン!!
「…~~うぅ、そうかそうか大変だったな!!お兄ちゃんそんなことも知らずに朝から大きな声だしてゴメンな…っ!!
お腹が痛いんなら、休んだらどうだ??
無理しちゃいけないからな!!」
私の芝居に完全に騙された兄は、泣きながら私に謝ってきた。
我が兄ながらチョロイな……。
多分この時の私には、悪魔の羽でもついていたんじゃないかと思う……


