「……理玖…くん…。」 私が理玖くんの名前を呼ぶと…… 玄関のドアについた理玖くんの手が、 そのまま動けずにいる私を、強く強く抱きしめた。 「陽菜…ゴメン。 俺がちゃんと昔の事、陽菜に話してなかったから…。 不安にさせて…ゴメン。」 私よりも、ずっと大きな理玖くんが、とても小さく感じた。 過去はどうであれ…… 私は今、こんなに理玖くんに愛されているじゃない……。