「理玖くん……。

ちゃんと理玖くんの話…聞くから。

だけど…今は少しだけ一人になりたい…。



GWの間だけでいいから、頭の中整理させて?」





「……分かった。」




さっきまで、抱きしめてくれていた理玖くんの暖かい腕が、

今は行き場を失ってしまっている。




「春ちゃんの所に居るから心配しないで。

ちゃんと帰ってくるから。」



そう言って少ない荷物をまとめて、家を出……ようとしたが……



玄関で靴を履き終え、ドアノブに手を掛けようとすると


目の前に


ドンッッ


理玖くんの手が置かれた。