「葵…元気そうだった?」
「……。正直に言うと、まだ理玖のこと忘れられないんだって。」
「・・・・・。」
「理玖が結婚したって言ったら、ちょっと取り乱しちゃってさ…。
葵ちゃんと一緒に居た女友達が、慌てて連れて帰ったよ。」
「そっか・・・。」
―――――――――――...
葵……。
陽菜と付き合い出して、葵の事は、たまに思い出していたけれど、
時間が経つにつれ、俺の中ではスッカリ過去の事になっていた。
葵にとっては、まだ過去じゃないのか…。
俺は葵に対して、最低なことをしたんだ。
まだ…陽菜にも言えていない過去……。

