その時…私の寝ていた病室に、お母さんが飛び込んできた。



「陽菜…理玖くんが…



理玖くんが……


目を覚ましたわっっ!!」




お母さんのその言葉に、私は妊婦であることも忘れ、ひたすら走って理玖くんの居る治療室へ向かった。




――――――...



「理玖くんっっ!!」



ガラス張りの窓の外から、理玖くんを呼ぶと…理玖くんはユックリ私の方を向いた。





【ご・め・ん・ね】





と唇が微かに動いたのが分かった。