私が香織ちゃんに抱きしめられていると、後ろから幸太くんの声が聞こえた。 「先輩の家と、お前の親に連絡入れてきた。」 そう言って、携帯を返してくれた。 「あり…がと…。」 二人の温かさに、涙が零れた。 泣いても何の解決にもならないと分かっていても、涙を止める術が分からなくて、更に香織ちゃんの肩に顔を埋めた。 私の泣いている背中を、香織ちゃんがポンポンと優しく叩いてくれた。 三人で待っている間、理玖くんの事故にあった状況を来てくれた警察の人が話してくれた。