「違うの理玖くん。悲しくて泣いてるんじゃないよ…。」 理玖くんの心配そうな声に、慌てて答える。 「じゃあ……。「私そろそろ帰ります。」」 理玖くんが話を続けようとしたところを、香織ちゃんが言葉で遮った。 「香織ちゃん……。」 私が話そうとすると、 「あとは夫婦二人でユックリ話してね♡」 そう言うと、スッと立ち上がり、リビングのバッグを持つと、私に向けパチンとウインクをして帰って行った。