「理玖くんの匂い…落ち着く…。」 そう私が言うと、理玖くんは腕を緩め、大きな手で私の頭をポンポンと撫でてくれた。 「陽菜。お疲れ様。 まだ二次試験とかあるけど、取り敢えず今日はユックリ休んで?」 理玖くんの優しい声に、心がジワリと温かくなる。 「一次試験が受かってればの話だけどね(笑) 疲れたから今日はユックリする!」 ―――その後…奇跡的に一次試験・二次試験共に筆記試験に合格し、残りは6月に行われる最終面接を残すのみになった。