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理玖くんに財務省を受験すると宣言した日から、今までよりも更に勉強に打ち込み、あっという間に4月下旬になり一次試験の日がやって来た。
試験を受け、家に帰ると、理玖くんが玄関に勢いよく飛び出してきた。
「陽菜っっ試験どうだった?」
心配そうに私の顔を覗き込む理玖くん。
「やるだけやったよ~~。
それよりも…理玖くん…ギューして。完璧に理玖くん不足…。」
私が玄関で両手を広げると、理玖くんがギュッッと抱きしめてくれた。
フワリと理玖くんの甘い香りに包まれると、今まで張りつめていた気持ちが緩みとても落ち着く。

