私の言葉にすっかりフリーズしてしまっている理玖くんに、更に続けて話す。
「実は…一次の筆記試験が4月の下旬にあるの…。
もう願書出してるんだ。ナイショにしててゴメンね。」
「…そう…なん…だ…。」
やっと出てきた理玖くんの言葉はソレだけ。
「でもね…試験に落ちた時の事も考えて、動いてるの。
理玖くんも勉強と研究で忙しそうだったから、なかなか言い出せなかったんだ。」
「それが陽菜のやりたいことなんだね?無理してない?大学院行かないで後悔しない?」
理玖くんが私の顔を見つめ、優しい声で言った。
「うん。色々迷って、やっと見つけたの。
後悔はしない。だから理玖くんも応援して!?」
そう言うと
「分かった。応援する。」
と理玖くんがフワリと微笑んだ。

