「陽菜が大学院に行きたいなら、行っていいよ。
今までの貯金もあるし、これからは俺の給料も出るから、どうにかなると思うんだ。
我慢とか…妥協とか…それだけはして欲しくないから。」
理玖くんのその想いだけで十分だ。
「理玖くん有難う。
正直に言うとね、大学院に行きたいなぁ~と思っていた時期もあったんだ。
でもね、今はちょっと違うの。
大学で学んだ経済学を、仕事として利用してみたいなって考えの方が大きくなっちゃったんだ。
だからね…言ってなかったけど…私…公務員になりたいの。」
そう…安定したいとか、そう言う事じゃない。
純粋に公務員になりたいんだ。

