待ち合わせのカフェに、俺がついた時には、葵はもう先に席に座っていて、アイスコーヒーを飲んでいた。
「ごめん。待った？」
「ううん。私がちょっと早く着すぎただけだから。」
そう言って、ニッコリと笑う。
自分もアイスコーヒーを頼んで、葵の顔を見つめた。
「葵。単刀直入に言う。
俺は、葵とは一緒に居ることは出来ない。」
俺の言葉に葵が呆れたように、口を開いた。
「じゃあ…理玖は…過去の事は無かったことにするのね…。」
「過去の事は…なかったことには出来ない。
でも…過去の事を乗り越えて、前を向かないと、前には進めないよ。」
葵はアイスコーヒーを一口飲むと、少し笑って口を開いた。
