「陽菜……俺は…陽菜しか要らないんだ…。」 そう言って、再び理玖くんが抱きしめようとした時… くしゅんっっ と私のくしゃみが玄関に響いた。 二人とも雨に濡れたまま、玄関で抱き合っていたから、すっかり身体が冷え切っている。 「このままじゃ風邪引くから、陽菜シャワー浴びて来な。」 「でも…理玖くんが…風邪引いちゃうよ…。」 「俺は男だから、大丈夫!」 「でも……。」 そんな私の言葉も聞かず、理玖くんは脱衣所に私を押し込めた。