陽菜の手を掴もうとすると、陽菜の腕を掴んだままの幸太が、それを阻止する。 「……先輩。今は…陽菜の事ソッとしておいてくれませんか? こんな夫婦の問題に首突っ込むのもオカシイですけど、先輩ハッキリしなさ過ぎて、俺…見ててイライラするんですよ。 この女との事、ハッキリさせるまで、陽菜は先輩の元には帰しませんから!! 俺が連れて帰ります!!」 そう言って、幸太は震える陽菜をギュッと抱きしめた。 「何言ってんだよ。 陽菜は俺の奥さんなんだ。返す返さないって…陽菜は物じゃない!!」