「理玖先輩が言いにくかったことって何?」
香織ちゃんが…そう訊ねたが…私が答えられずにいると、幸太くんが
「そこは……無理して言わなくていい。
言えるようになったら言えばいいから。」
今は幸太くんの、その気遣いが嬉しかった。
「――――ありがとう。」
「陽菜ちゃん…いや…陽菜。
俺たちは何があっても味方だから。
だから…辛くなったら、いつでも頼れよ。
だって友達だろ??」
幸太くんが、私の事を初めて【陽菜】と呼んだ。
「陽菜ちゃん…私も同じだからね。」
香織ちゃんが私の手をギュッと握りしめて言った。

