大学から徒歩15分ほどの所に、一人暮らしをしている香織ちゃん。
幸太くんの方が、香織ちゃんより家は近いが、さすがに…男の子の一人暮らしの家に上がり込むのはマズイだろう…と二人が話しているのが、遠のく意識の端で聞こえた。
「香織~~陽菜ちゃん。なんかコンビニで適当に買ってきたよ。
取りあえず…食べたいものとか、飲みたいものがあったら言って!?」
コンビニから戻ってきた幸太くんが、ベッドの下にドカッと腰を下ろす。
「幸太くん……香織ちゃん…本当にアリガトウ。
心配かけてゴメンなさい…。」
「陽菜ちゃん…何か悩みがあるんだろ?
俺たちじゃ…話聞いてあげられないかな?」
幸太くんが切なそうに私の顔を覗き込む。

