理玖くんの手をギュッと掴んでいた自分の手を離した。 手を離した瞬間…理玖くんが私の瞳を覗き込み… 理玖くんの悲しげな瞳に、耐えられなくなり…目を逸らした。 「陽菜……。」 「……大丈夫…ちょっと驚いただけだから…。」 って無理に微笑んでみたけど、私の意志に反して涙が頬を伝って ポトリ ポトリ と、手の甲に涙の雫が落ちていく。 その日以来… 理玖くんは、私に触れなくなった。