四角いジャングル

レスラーになって間がない大谷は、タッグマッチの経験はない。

ましてやニュージャパンのトップエースである猪瀬のタッグパートナーなど…。

「何で俺なんかを…」

戸惑う大谷に。

「言っただろう、お前が気に入ったからさ」

猪瀬は笑みを浮かべる。

「勿論新人のお前の未熟さは、俺も重々承知している。お前が至らない部分は、俺がカバーしてやる。お前は思うが儘に、ヒールユニット相手にプロレスをすればいい。俺がタッグチームのリーダーとして、必要な事は指示してやる。何も心配しなくていい」