猪瀬はそんなフライを逆さまに抱え上げて後方へ投げ、相手の背面をマットへ叩き付ける。

ブレーンバスター。

バックドロップ、コブラツイスト、ラリアット等と並んで、世間一般にもよく知られているプロレス技である。

最初に考案された形のフォームは現在の基本形とは異なり、相手を逆さまに抱え上げた状態で、頭部からマットへ叩き付けるという形であった。

しかし危険すぎる為に改良がなされ、背面から落とす形に変化し、それが定着し現在に至っている。

背面から落とす技なのに『ブレーンバスター』『脳天砕き』という名称なのはその名残である。

猪瀬はフライをもう一度引き起こし、今度は背後から相手の腋下に頭を入れ、両腕で相手の胴に腕を回しクラッチして持ち上げ、自ら後方に反り返るように倒れ込んで、相手の肩から後頭部にダメージを与える。

バックドロップ。

技としての手軽さと威力の高さに注目した各レスラーが使用し始め、現代では非常に多くの使い手が存在する。