「随分変わったもんだなぁ」

道場、リングの上。

藤原がブリッジした大谷の腹の上に胡坐をかいたまま言う。

「俺が練習生だった頃、力皇山選手にトレーニングつけてもらってた頃は、とにかく食え、だったからな。サプリメントに頼った事なんてねぇよ。酷い時なんて飯食いに行って、その店のメニュー端から端まで全部注文して、一人で全部食えなんて言われてたからな」

殆ど嫌がらせのような話だ。

「さて、次はスパーリングするぞ」

大谷の上から藤原が下りる。

「押忍」

リングの上でTシャツを脱ぐ大谷。

入門当時からは考えられないほど、彼の上半身は筋肉がついていた。

現在の体格は、181センチ90キロ。

藤原と並んでも、遜色ない。