『それでは青コーナーより、大谷 晋二選手の入場ですっ!』

リングアナのコールと共に、会場に『Believe S-Road』が流れる。

ファンの声援の中、ゆっくりと花道を歩く大谷。

身に付けた赤のTシャツが、燃え盛っているように見えた。

気合は十分。

相手が例え団体最強のトップエースであろうと、真っ向から立ち向かう覚悟は出来ている。

セカンドロープを潜り、リングインする大谷。

『続きまして赤コーナーより、猪瀬 寛至選手の入場ですっ!』

『炎のファイター 〜INOSE BOM-BA-YE〜』が流れる会場。

自然と猪瀬コールが沸き起こる。

そんな中、背中に『闘魂』の文字が染め抜かれたガウンを纏い、猪瀬が入場してくる。

ニュージャパンのトップエース、IWC王座七度防衛の絶対王者。

この男を倒さなければ、大谷は夢を叶える事は出来ない。

リングインしてガウンを脱ぎ捨てる猪瀬。

リングアナが選手紹介する。

『青コーナー、181センチ107キロ…大谷ぃっ、晋二いぃぃいぃいぃぃぃっ!』

大歓声の上がる会場。

『赤コーナー、186センチ102キロ…猪瀬ぇっ、寛至いいぃぃぃぃぃいぃいぃぃっ!』

猪瀬のコールの後、大谷を上回る大歓声が木霊した。

レフェリーが両選手のボディチェックをした後。

「ファイッ!」

ゴングが鳴った。

遂にIWCシングルトーナメント決勝戦無制限一本勝負が開始される!