頭部を強烈に叩き付けられる猪瀬。

彼も受け身に関しては超一流だが、エメラルドフロウジョンだけは別格だ。

すぐに立ち上がる事など出来はしない。

そんな猪瀬の両足をとり、仰向けになっている猪瀬の両足をそれぞれの脇の下に挟み込み、そのまま相手の身体を跨ぐようにステップオーバーして、相手の背中を反らせて背中と腰を極める。

逆エビ固め。

ボストンクラブとも呼ばれる。

本来は前述の通り、背中と腰を極める技だが、膝を痛めている猪瀬には膝殺しの効果もある。

腰を深く落とし、猪瀬の膝を痛めつけた三沢は、そこから更に猪瀬の右足の脛部分を膝裏に当てる形にして自分の両手をその下から潜らせて、相手左足の太腿の上で両手をクラッチする技に移行する。

テキサスクローバーホールド。

元は『テキサス・ブロンコ』の異名をとるアメリカのレスラー、テリー・ファンクのオリジナルホールドだった為、この名が付いた。