準決勝第二試合、猪瀬 寛至vs三沢 光秀。

既に他団体の参加選手が軒並み敗北した中、三沢のみが外敵最後の一人だ。

彼を倒せば、ニュージャパンの至宝IWCチャンピオンベルトが流出する事は阻止できる。

逆に三沢がこの試合に勝てば、決勝は大谷と三沢の次世代エース対決という事になる。

果たして決勝に駒を進めるのはどちらか。

遂にゴングが鳴った。

まずは様子を窺うように、ゆっくりとリング中央に歩み出る両者。

三沢は。

「……!」

猪瀬が僅かに、片足を引き摺っているのに気付く。

先の試合で桜庭と関節技の極め合いを演じた猪瀬。

桜庭のヒールホールドで、彼は膝靭帯を痛めていた。