この手のカウンター技は、ロックが最も得意とする所。

大谷は油断していた。

強かに後頭部をマットにぶつけ、すぐに立ち上がれない大谷。

そんな彼の両足を捕らえ、両足の間に右足を入れて相手の左脇腹の横へ踏み込んで、相手の両足を膝でクロスさせて相手の右足を自分の右腕でロックし、右足を軸にして反転(ステップオーバー)して相手を引っ繰り返してから腰を落とすロック。

シャープシューターで両足を攻める!

ガッチリと極まっている。

痛みに顔を顰める大谷は、両腕の力だけで何とかロープを摑もうとするものの。

「It does not miss. (逃がさないぜ)」

シャープシューターを極めたまま大谷の体を引き摺って、リング中央へと戻すロック。

これではロープブレイクが出来ない!

いつまでもシャープシューターに耐えられるものではない。

大谷は。

「うおぉおぉおぉぉっ…!」

両腕の力で体を持ち上げ、腕立て伏せの要領で体を上下させる事でロックを揺さぶり、生じた隙にロックを押し退けてシャープシューターを強引に外す!