大谷はこの記者会見の様子を、テレビで見ていた。

壇上に座る猪瀬の目の前で輝く、黄金のIWCチャンピオンベルト。

あれだ。

あれが欲しくて、大谷はこのニュージャパンプロレス道場の門を叩いた。

『一番強い男になりたい』

そんな憧れで入門したニュージャパンプロレス。

大谷にとって、あのチャンピオンベルトこそが、その『一番強い男』の象徴なのだ。

その証が、大谷の目の前にある。

大谷の中で、野心が顔を覗かせる。