夕方。

遂に大谷は動けなくなって道場の床に突っ伏す。

脚の筋肉が燃えているようだ。

汗が、痙攣が止まらない。

呼吸が乱れたまま、整わない。

それでも。

「どうした、もう終わりか」

藤原は竹刀の先端で、大谷の背中をグイと押す。

「去年入団した若手レスラーの桜庭は、日が暮れて道場の照明全部消しても、俺がやめろって言わなければずっと続けてたぜ?」

「……っ!」

信じ難い藤原の言葉に、大谷は目を見張る。