私と翼くんは黙って話を聞いていた。 「でも、ある日 そのおじさんがお店を畳んだんです。 気前のいいおじさんだったから きっと、お金関係じゃないかって母親はいってました。 おじさんの寂しそうな背中を見て 優斗はおじさんに、こう言ってました。」 『俺、おじさんと一緒にお店やりたい。 おじさんが店に立って みんなと笑ってる姿、また見たいんだ。』 「まだ中学生だった優斗が言ったことだし おじさんは本気にしてなかったと思う。 でも、あの時のおじさんの笑顔は今でも覚えてます。」