少し休んで
胸の痛みが治まってきた私は立ち上がった。



「…大丈夫?」



心配そうに見上げる翼くん。


私は頷いた。






どこに行くかはわからない。


もしかしたら、今より辛い思いをするかもしれない。




それでも


前に進まなきゃと、自分に言い聞かせた。









ーーー



「着いたよ。あそこ」


弟の陸くんが指差す方向を見ると
暗闇の中、光るお店が見えた。






私は…

あの店を知っている。